6/22発売の最新刊を読んだ。
良かった。以下ネタバレアリ。
人によって愛ってそれぞれだ。
さとうちゃんの愛としおちゃんの愛、どちらも尊い。
好き。
他の登場人物の愛は多分苦い。作中苦いと言うのは利害の愛だったり、一方的な愛のことを言う。
最後、さとうちゃんがしおちゃんを本当に愛するなら、一緒に死ぬべきだったと思う。
さとうちゃんがしおちゃんを生かした意味を知るために、屍みたいに長く生きるしおちゃんはとても尊いけど。きっと意味なんて見つからない。意味なんてない。
しょーこちゃんも、太陽くんも、あさひくんも、家族愛とか、トラウマからの偏愛とか、友人への執着とか、そんな愛は愛として存在するんだろうけど、苦い。
しお×さとうみたいに、ただ、そこに居るだけで、なんの繋がりもなくても、存在だけで愛し合えて、なんでも出来る気がするのが愛だといいなと思う。
人殺しも出来るし、暴力にも耐えられる、そんなさとうちゃんの愛。尊い。自分の為にしてくれた人殺しも尊重して、さとうちゃんの全てを肯定するしおちゃんの愛。尊い。
私の愛は登場人物だと、叔母さんに似てるかも。利害の愛。相手を壊す愛。
というか、短編集、しおさとうの甘々な日々を特集してくれると思ったのに後日談みたいでなんか違った。
以下惚気。ラリってる。
一緒に死ぬのが一番の愛し方で、一緒に死んでくれるのが一番の愛され方だから、好きになったら殺したいし殺されたい。
高校時代とかは、彼氏に殺してとか殺したいとか言ってたと思う。死なない程度に首絞めたりしてた。
大人になって、多少分別がつくのでやらなくなった。
誰かの心の穴を埋めるのを生業としているから、足りない人にはモテるけども、一緒に死のうって言ったら一緒に幸せになろうって言われる。
死ねよ。
大事な人を守って40までに死にたいと、彼は笑って言うけれど、一緒に今死にたい。
守られて取り残されるより、一緒に死にたい。
この人と居れば人生楽しいこと沢山あるなって思えるけど、ずっと居れるかなんて不確定なのに。
私と話せるだけで幸せだから、恋人なんて要らないと言ってくれた重さが大好き。
タイプじゃないって知っていたのに、ただ話しを聞いてくれて、ただ応援してくれて、ただ居てくれただけで、私の希望になっていた。
ただ私の居てほしいときに応じて隣に居ることが貴方の愛し方なのかもしれない。
甘い甘い、私にとってのしおちゃん。
久しぶりに連絡したら、すぐに会ってくれて、何時間もただ話を聞いてくれて、ただ肯定してくれて、この人だなぁと思って、すぐに付き合うことになった。
私の為に死んでくれないけど、私の為に死ぬ以外ならなんでもしてくれそう。
彼と付き合い始めてから、なんだか社会にまた戻れる気がした。
私が死にたいのも、絶対に否定しないで、辛いのを聞いてくれて、そういう人だから、私は心を開けたし、心を開いたから愛に触れられて、満たされて、少しずつ進めてるんだろうな。
多分私、今人生で初めて満たされている。
さとうちゃんの愛って、こういうことだったんだろうな。
凄い。
ずっと、飢餓感と共にあることを誇りとしていた。
飢餓感を共有にできると感じる人を友人・恋人として好きだったけど、私と同じ飢餓感を持つ人なんて居ないし、各々の飢餓感があり、劣等コンプレックスのデュエルバトルになって。
飢餓感を満たしてくれる存在なんてハナから期待してなかったけど、傷を舐め合ったり一緒に戦う仲間が欲しかった。
館様もこれまでの彼氏も大好きな友人も、みんなみんな、飢餓感を抱えて、それでも孤軍奮闘してて、何かに昇華してて、だからこそ最高に輝いていて素敵だけど、近付いたらお互い劣等コンプレックスでデバフを掛け合って、ダメになる。
飢餓感を持つもの同士は近づいたら毒だ。
私なら君の痛みが分かると、だから私の痛みも分かってと、そうやって近づいて、でも、お互い一つも癒されなくて、痛いままに、これまで築いた飢餓感すらも分からなくなって、戦う勇気もなくなる。
今、飢餓感を失ってしまった。でも、もう痛くない。
愛で少しずつ満たされて、一緒に死ぬ以外の愛し方もこれから見つかるかもしれない。
飢餓感を武器に輝いてる人たちも、孤軍奮闘は辛いから、人に何かを与える余裕のある人と共に生きた方が良いのかもしれない。
そして、この世界のどこかで、しおちゃんとさとうちゃんは、誰にも邪魔されないお城を作って永遠に2人きりで、幸せに暮らして欲しいな。