藤本タツキの「さよなら絵梨」を読んだ。
これからルックバックも読もうと思った。
「さよなら絵梨」は作品を通して死が常に近くに居る。
最も人の心を揺さぶるものは死だと思う。
泣ける物語は大体死が絡む。
本作にストーリーなんてないけれど、死が常に近くに居たから、そして人の死をリアルを描くことに長けていたから、あれだけ人の心を揺さぶるし、きっとルックバックも人の死が隣にあるからこそ、評価されているんだろう。
揺さぶられたと同時に、人生がつまらないのは、死が遠くになったからだと気が付いた。
毎日明日死のうと思っている方が生きていた。
死が近い方が人生はより生きる。
鉄よりコンクリートより木が好きなのは、新しいビルより古びた商店街が好きなのは、お年寄りより子供が好きなのは、永遠より変化が好きなのは、変化が好きなのではなく、死に向かう過程が好きなんだ。
必死になろうがダラダラしようが死に向かう人が好きだ。どう使われようが街は死ぬし建物は死ぬし人も死ぬ。
那覇市民会館のCGはドライフラワーだし、誰かが必死に残している映像や文章や遺跡も、とっくに死んだものを飾る博物館も、老人ホームにいるお年寄りも、凄く滑稽で大嫌いだ。
私は、今生きていて、これから死に向かうものが好きだ。
私の主題は死への過程だ。