旦那が好き。
頭狂うような好きじゃなくて。
香ばしい猫の肉球見たときの好きじゃなくて。
日々変わっていく再開発中の街への好きじゃなくて。青春に読んだ心揺さぶられた漫画への好きじゃなくて。
もっと大らかな気持ちで好き。
洗濯したてのタオルみたいに好き。
新年の朝の澄んだ空気くらい好き。
晴れた日、刈立ての芝生に水を撒くみたいに好き。
いつも新しい気持ちで、執着でなくて、爽やかに好き。
心の余裕がなくても、気付くと優しく照らしてくれるような。
そんな好き。
心に余裕がないと執着が増したり、何かの言葉で心が揺さぶられるような好きでなくて。
いつでも、どんなときも、どんな人にも、伝わる良さがあって。
誰にも嫌われない、普段は誰も気に留めない、それでも凛として咲く、気が向いたら愛でることのできる山の桔梗みたいな。
近くに沢山あるように見える、普段使ってる漆塗りのお碗みたいな。
失望することはない、色褪せることはない、洗濯したてのタオルはいつでも気持ちいいし素敵だから。
そんな好き。
狂おしさはないけれど、熱さもないけれど、大きく変わることも無いだろうけど、きっとずっと好き。