ワルがかっこいいって若者が多い。
と言いつつジジイもワルが好きなことはままある。
バイク乗って、テカテカの革ジャンだったり、還暦超えてもリーゼントの人が居る。
男の中の1/4くらいは大人になってもワルに憧れるし、女の中の1/20くらいは大人になってもワルい男が好きだ。
人を殺した、違法薬物をやった、盗み、ゆすり、金庫荒らしをした、違法風俗店を営業したとか、捕まったことがあるのが名誉なこととされる世界がある。
笑顔なんだけど、具合が悪くなるとガンつけるし、歩く時は肩で風を切って歩く。
ダサいなぁと思う。
けど、わたしも中学生くらいの頃はワルに憧れて、トゲトゲ付きのギラギラバッグ持って黒のロングのブーツを履いた。
ギャルの雑誌を手に入れて、1人で私の思うワルになった。
ワルやギャルに憧れた理由は、ギャルを威圧して、優位に立ちたいみたいな気持ちがあったからだ。
クラスのギャルにバカにされたり、嫌な絡みされることが多かったので。
ゆかりは怖いから関わらないでおこうって思われたかった。
私はそれまでキモオタもキモオタだったので、調子乗ってるって虐められたけど。
そこで成功体験を積めば、私はギャルやワルになっていたのかもしれない。
私のワル化が成功しなかったのは、他のワルと目的が一致しなかったから、なのかも。
ほとんどのワルには目的がある。
ワルっていうのは、処世術の一つで、ワルの集団で認められるための手段でしかない。
人を殺した方が、その集団の中で認められる。それで生きていける。
前科持ちのワルに被害にあった友人がいる。前科持ちの別のワルがそのワルを庇って、不起訴にしてくれって頼みこまれた、ないし脅されたらしい。
ワルにはワルのコミュニティがあるというか。
そこに属せなくなるのが不利益というか怖いんだろう。
結局、ワルも、普通の友人グループも、群れのルールがあって、誰かを排斥していることには変わりないのかもしれない。
群れのルールが反社会的なだけで。
ワルがカッコ悪いの、なんでか分かった。
群れで居るからだ。
コミュニティがあるからだ。
そこに属すためのワルという手段だからだ。
俺らは社会のはみ出しものだ、と口では言いながら、結局ワルも「悪い奴は大体友達」という一つの社会の中にしかいない。
アウトローぶってるけど、アウトローの中に法(ロー)があって、その中で生きていて。
俺らは誰にも縛られねぇと言いながら結局ワルのダチに縛られている。
一般の人が俯瞰して見ると、ダブルスタンダードというか現行不一致な感じが痛いと思うんだろう。
一人ぼっちで肩で風を切って歩け。
1人で、お前の思う、そのままのワルをしろ。
集団に属すな。
孤高のワルであれ。