16章
致虚極、守静篤
心を空にすることを極め、静寂を守ろう。すべてが根源に還り、心穏やかに過ごせる。
17章
太上下知有之
最上の君主は讃えられる君主でなく、その人が君主だと知られているだけの君主だ。派手なことはせず、言葉をひとつひとつ選び、誠実に対応することだけをしよう。
18章
大道廃、有仁義
道(ありのままの心)が廃れたため、仁義(道徳)が生まれた。人が頭を使うようになったから、家族愛や忠義を唱える人が必要となった。
19章
絶学無憂、唯之與阿、相去幾何
学ぶことを絶てば憂いは無くなる。学のある人の言う「はい」と粗暴な「ああ」にどれだけの違いがあるのだろう。善いとされることと、悪いとされることに、どれだけの違いがあるのだろう。
23章
希言自然、故飄風不終朝、驟雨不終日
たまに喋るくらいが自然だ。喋り過ぎるのは不自然だ。風は朝には止むし、雨が終日降ることはない。
道に従って生きれば自然と出る言葉は道と一致し、最低限となるだろう。
24章
企者不立、跨者不行
つま先立ちのものは長く立てず、大股歩きのものは遠くに行けない。道に沿わず無理をするものは苦しい。道に沿うものは疲れない。
30章
善者果而已、不以取強
目的を果たしたらそこで辞めるのが善い。更に上を目指したり、果たしたことを誇示すると、道から逸れ、早くに終わるだろう。
目的もやむを得ず設定したこととし、淡々とおおらかに自然に居ることで末長く続く。