1章
道可道、非常道、名可名、非常名
道(タオ:自然の摂理)と言うものは言葉では表せないものだ。名がつけられるものの本質は名にはない。
目に見えている物や言葉にできる物に囚われていると本質を見失う。
2章
天下皆知美之為美、斯悪已
美しいものを皆が美しいと知るから、醜悪という概念がある。
美醜も、短長も、難易も、全て比べて生まれるものである。
評価せず、語らず、比べず、相反するものを生み出さないこと。
5章
天地不仁、以万物為芻狗、聖人不仁
天にも地にも仁愛はなく、また聖人にも仁愛はなく、我々を子供が藁で作った犬のように粗雑に扱う。
世界が我々に優しくすることはないが、世界はエネルギーに満ちていて、常に色々なものが生まれては育っていく。
8章
上善如水、水善利万物而不争、處衆人之所悪
もっとも良い善は水のようだ。水は万物に利し、争わず、すべての人が嫌がる低いところにいる。道に近いものである。
10章
載営魄抱一、能無離乎
身体の深いところと、心とを一体のものとして、そのまま離さずに居ることができるだろうか。そのためには、物事をはっきり理解しながら口も手も出さないこと。物を作っても力を注いでもすぐに手放し、長になっても支配しないこと。目に見える物に囚われると、たちまち道から逸れる。
13章
寵辱若驚、貴大患若身
寵愛と屈辱で人は狂う。自分の身よりも人の感情を大切に扱ってしまうからだ。
評価欲を捨て去り、自分の心身を愛おしみ大切に思う人が狂うことはない。