ゆかり徒然日記

鬱病から引きこもりにランクアップしたアラサーのブログ。

伊豆の踊子

伊豆の踊子を読んだ。

読んでもあまり良さが分からなくて。

 

体は大人で、内面は幼子で、男女の機微も分からず、あどけない14-5の舞姫

彼女を擁する旅芸人一行に、偶然のフリしてバッタリ出会いを重ね、その後ただただ付き従って旅を共にする主人公。

そういう、キモイ話で。

主人公が旅芸人一行に愛されてるのも納得いかないし。

 

書評を読んだら処女の美しさを描いた作品らしい。

 

良さを挙げるなら逆に、キモイ男のナルシシズムというか、女性蔑視というか、「少女のような舞姫を性的な目で見ながらストーカーしているのに、旅芸人という職業をめちゃくちゃ見下しているが故、それが恋心に変わることはなく常に劣情でしかない」という嫌な主観がナチュラルに描かれていて。

その幼さ純粋さに癒されていく主人公が本当に気分悪いというか。

情景描写、心理描写が上手いのかもしれない。

それはそれで人の心を動かしたことになるので。

 

本当に嫌なのは、川端康成がそれをネタとして書いたわけでなく、本気で、「旅芸人は劣等で、女も動物として下の位に置いて見ている」からで。

 

心からなんか嫌だと思った。

正の側面でも負の側面でも、心からの言葉が人の心を動かすんだろうな。

心から言葉を発する人が、それが人の心を動かす人が、文豪と呼ばれるのかもしれない。

 

って思って川端康成調べたら。

婚約していためちゃくちゃ好きな子(処女)に振られて、それを拗らせて女性蔑視になってたので、なんか改めて切ない気持ちで読めるなと思いました。