歳を取るにつれて精神を少しずつ蝕まれる感覚がある。
水に沈んでいくような。
どんどん暗くなって、目の前のものしか見えなくなってくるような。
肺がどんどん潰れて息が吸えなくなってくるような。
死にたいとは思わないけど、生きたいとは思うけど、生きていて幸せなんだが、なにかが少しずつ失われていく。
何かを消費してるのかもしれないし、あるいは何かに削られてるのかもしれないし、もしくは与えてるのかもしれないし。
生きるのは上手になったと思うんだけど。
エネルギーというか、繊細さというか、心を引き込むようなものというか、そういうものがどんどん減っていって、ぼやけて、もう戻らない気がする。
昨日より今日、今日より明日、徐々にぼやけていって、何も見えなくなって、動かなくなって、最後の日には私と世界の差がなくなってしまうんだろうなぁ。
生きているということは、歳を取ることであり、死んでいくことだなぁ。