火星に行きたい。
彼と2人で。
火星に建てた、石積みの小屋に住む。
日がな誰も知らない歌を歌って、私たち以外は誰も見ない絵を描いて過ごす。
畑を耕して火星野菜を育てて、火星の家畜も育てて。
火星猫と火星犬も飼う。
重力が小さいから毛が四方八方に伸びたモフモフの火星動物たち。
落ち着いたら火星火山の近くで温泉を探す。
2人と動物だけの火星だけど、やがて子供ができて、孫が出来て、ビッググランドマザーとビッググランドファザーと呼ばれて。
ようやく孫の代で温泉を掘り当てて、3日3晩続く宴をして、疲れ果ててそのまま眠るように死にたい。
死んだら宇宙葬。火星では葬式も楽しんでやる。
クリケットで打たれて大気圏突破して、大抵の場合太陽に真っ逆さま。
死んだ人は綺麗さっぱり忘れるのが火星の流儀。
火星に行きたい。